3.結果及び成果
ASIC用CADと設計結果を確認するためのFPGAを搭載した実験ボードによる実験・実習環境を整備できた.理工系教育推進経費では,実験ボードを学生2人で1台使用できる環境を整備することができた.この環境の下で以下の実験・実習を実施することができた.
(1) 4年応用実験:
ディジタル回路設計用言語であるVHDLやASIC用LSIであるFPGA素子という主要な技術を実際に使用し,従来の回路図,標準論理ICを用いた場合には困難であった複雑な回路を設計し,動作確認まで行うことにより,情報通信分野の先端的な装置を設計・製作するための技術の基本を習得するという経験を学生に与えることができた.ASIC用CADを用いてディジタル回路の設計を実施している実習風景を写真1に示す.また,ASIC用CADで設計した回路を実験ボードのFPGAにダウンロードして動作を確認している状況を写真2に示す.また,実験・実習を行うために作成した実験書や操作説明書の一部を本報告書に添付しておく.実際にはこれらの資料はファイルサーバーに格納されている.学生は各自のパソコンからLAN経由でファイルサーバにアクセスし,これらの実験書,操作説明書を参照することができる環境にしてある.
(2) 5年卒業研究:
実験ボードは,外部に新たなボードを付加して各種の回路を実現できるようになっている.実験用ボードに搭載されているFPGA素子で4ビットのCPUを構成し,メモリや入出力などの周辺回路を外部に新たなボードを付加して構成することによって,CPU自体の設計・製作を実施することができた.写真3に製作したメモリや入出力などの周辺回路のボードを示す.また,写真4に周辺回路のボードを実験ボードに装着した状況を示す. |

写真1 ASIC用CADを用いた実習風景
(4年応用実験) |