1.目的
近年,創造性豊かな実践的技術者の育成を目指して,各高専・大学において数々の創造教育の取り組みがなされている.本校電子制御工学科では,3年生,4年生において,「創造設計」を開講している.3年生では電子制御手法の修得を主目的としたメカトロモデルの製作,また4年生では低学年で学んだ基礎知識・基礎技術をもとにし,学生自身がアイデアを出し,ロボットの設計・製作を行っている.
他方,これまで1年生,2年生については工作実習を通して「ものの作り方」の教育はなされてきたものの,ものつくりにおいて学生が自らアイデアを出し,それを実現するための過程における工夫や苦労を経験する機会がなかった.特に1年生の実習においては機械工作関連に重点がおかれており,入学してきた学生に対して電気・電子制御系への関心をさらに高めてもらい,加えて,ものを作り,コントロールすることの楽しさや難しさを早い段階で学んでもらう事が課題であった.そこで,1年生の実習を見直し,制御技術への導入教育の一つとして教育用ロボットキットを用いた「自らアイデアを出し,ものを作り,コントロールする」という創造的学習を目指すプログラムを取り入れることとした.
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